2017年10月にTikTokがリリースされてから2025年の約8年間で急激なシェアを獲得しているTiKTok。2025年現在、日本国内では約2700万人が使用しており、スマホ利用者のシェア割合は約25%と、4人に1人が使用している媒体です。
このシェア割合が高く、トレンドでもあるTikTokに広告を表示したいと考えるマーケティング担当者の方も多いのではないでしょうか?しかし、TikTok広告は広告媒体(Meta広告やGoogle広告)などと比べて日が浅く、周りにTikTok広告に詳しい担当者や詳しい手順を掲載しているサイトも少なく、なかなか開始に踏み切れない方もいらっしゃると思います。
そこで今回、TikTok広告の基本的な知識とTikTok広告の始め方~初期設定までを紹介することにしました。本記事を参考にTikTok広告を開始しようと考えている企業様の手助けになれば幸いです。
TikTok広告とは?
TikTok広告は動画SNSであるTikTokやTikTokLite・Pangle(TikTok以外の国内の多様なアプリ・広告プラットフォーム)へ配信できる広告です。
世界で月間10億人以上が利用するショートムービープラットフォームで、日本国内においては26,000人の雇用を支え、国内名目GDPに4,741億円の貢献をするほどの強い影響力を持っているSNS媒体でもあります。
まだSNS媒体としては歴史が浅いものの、短期間で急速な成長をしている媒体です。
今後もさらに利用者数や社会に与える影響が大きくなる可能性を秘めたSNSでしょう。
TikTok公式 -TikTok、日本における経済効果を発表。2万6千人の雇用を支え、国内名目GDPに4,741億円の貢献
TikTok広告の特徴と配信先について
TikTok広告の特徴は、広告なのにスキップされにくい特徴があります。TikTokはコンテンツを視聴者に楽しんでもらうことで、消費者が自然とブランドに惹きつけられるような関係を作れると考えており、自社サービスと類似した興味を持つユーザーの「おすすめ」に広告配信することで消費者にストレスを与えることなく、広告を見てもらえる仕組みになっています。
他にも高いエンゲージメント率や購買傾向の喚起など、ワンストップでビジネスに成果をもたらすことのできるソリューションです。
TikTok広告で選択できる配信先は「TikTok」「BuzzVideo」「Pangle」の3つです。
TikTok・・・フィード面に配信される
BuzzVideo・・・話題のトピックやニュースのまとめ情報を掲載するキュレーションアプリのフィード面
Pangle・・・TikTokが連携する様々なアプリネットワークに配信
画像引用元:TikTok for business- TikTok、BuzzVideo広告フォーマットと広告枠
それぞれの配信フォーマットに推奨のピクセルサイズがあります。また推奨のファイルフォーマット、サイズもありますのでそれぞれの推奨内容は以下の通りです。
縦方向(推奨) :9:16、540×960ピクセル以上。
横方向 :16:9、960×540ピクセル以上。
正方形 :1:1、640×640ピクセル以上。
フォーマット :.mp4、.mov、.mpeg、.3gp、.avi。
動画の長さ :5~60秒(推奨:21~34秒)
ファイルサイズ :500MB以下。
ビットレート :516kbpsと同等またはそれ以上。
広告説明分 :カスタマイズ不可の統一フォントで白文字表示。クリック可能なリンク、記号(@)、ハッシュタグはサポートしていません。
更に、それぞれに「セーフティーゾーン」と呼ばれるエリアがあります。セーフティーゾーンとは投稿内容が隠れる可能性が無いエリアを指し、このエリア内に目立たせたい動画の内容や文章を置くことが推奨されています。
縦型・正方形・横長型のセーフティーゾーンは以下のエリアです。
TikTok広告を配信するメリット
TikTok広告広告を行うメリットは、主に3つあります。
・テキストや画像では伝えきれない内容を伝えられる
・広告主とエンドユーザーの距離が近く、UGCによる拡散が期待できる
・高いターゲティング精度で狙ったオーディエンスに届けられる
まずTikTokは動画クリエイティブが中心のSNSです。したがって、TikTok広告も配信のクリエイティブは動画が中心となります。テキスト広告では伝えきれない見た目やが画像では伝えきれなかった躍動感なども動画であれば、最大限に伝えられます。また、動画の情報量は文字情報の5000倍とも言われます。短時間にストレス無く、より多くの情報をユーザーに届けられるのは自社サービスの魅力を沢山伝えられているのと近しく意味合いですので、ユーザーに自社の魅力や興味を持ってもらいたい場合には、最適な媒体と言えるでしょう。
続いて、TikTokは広告主と受け取り手(エンドユーザー)の距離が近い特徴があります。日常生活でよく見る動画広告や画像広告では、商品の料金やサービス内容を全面に紹介した「ザ・広告」という印象を受けるクリエイティブが多い傾向にあります。一方でTikTok広告の主流はUGC(実際の消費者の感想や消費者本人が発信した情報)でリーチさせていく傾向にあります。したがって広告の情報を信頼してもらいやすくなったり、広告を配信せずとも消費者自身が口コミレビューとして投稿をしてリーチが加速していくので、広告主とエンドユーザーの距離が縮まりやすく、さらにUGCによる拡散も期待できます。
最後にTikTok広告では興味関心や年齢層、#などを用いた確度の高いターゲティングが行えます。検索広告や動画広告でもターゲティングはできますが、TikTok広告はユーザーが普段TikTokを視聴している興味関心のモニタリング情報や年齢、検索履歴情報を元により多くの指標を用いたセグメント分けができる為、確度の高いターゲティングで広告配信ができます。
TikTok広告の始め方
以降では実際の運用画面を用いてTikTok広告のアカウント開設~配信開始までの手順を紹介していきます。
アカウント開設
初めにTikTok foe Businessから画面左下の「今すぐ始める」をクリックし、アカウント開設画面に進みます。(下図赤枠)
続いてステップ1では、「メールアドレス」や「パスワード」を入力します。(下図赤枠)
既にTikTokアカウントを持っている場合は、TikTikTokアカウントを使用してログインも可能ですので、お試しください。(下図点線枠)
ステップ2では、広告アカウント設定を行います。自社の業種やビジネス名会社Webサイトなど、必要情報を入力して「今すぐ始める」をクリックすると広告アカウントの開設が完了します。(下図赤枠)
タグ設置
広告アカウントが完成した後には、TikTokのピクセル(タグ)を設置しましょう。TikTok広告だけに留まらず広告配信にはタグの設置が必要です。タグの役割は広告の成果計測に使用されます。
タグを設置しなければ配信した広告がどれだけの人に配信され、どれだけの成果が出ていたのか不明になってしまいます。そのようなことを防ぐためにも、広告配信前に必要なタグの設置を完了させましょう。以下ではTikTokのピクセル(べースコード)の設置方法を紹介します。
始めにTikTok広告のイベントマネージャー画面の左上「データソースを連携」のボタンをクリックします。(下図赤枠)
クリック後にポップアップで接続するデータソースの選択画面が表示されます。今回はWEBサイトで発生するアクション(イベント)を計測したいので、「ウェブ」を選択します。(下図赤枠)
クリック後に画面が切り替わり、イベントを計測するページ(ピクセルを設置するwebサイト)の設定画面に切り替わります。
任意のwebサイトのURLを入力します。(下図赤枠)
任意のURLを入力後にデータの連携方法を選択します。パートナー連携と手動連携どちらでも可能です。今回は手動で連携する方法で紹介をしていきますので、手動で連携を選択します。(下図赤枠)
※日本語訳が不適切な関係で「ドイツ語設定」と表示されていますが、手動連携を示していますので気にせず選択しましょう。
手動連携を選択した後に設置するピクセルの種類を選択します。初めてwebサイトにTikTokピクセルを設置する場合や特別な条件が無い場合は推奨されている「TikTokピクセル+イベントAPI」を選択しましょう。(下図赤枠)
選択した後にデータソース(ピクセル名)を入力します。こちらはデータセットを識別するためのピクセル名ですので、任意のピクセル名を入力します。
ピクセルの作成が完了したら、ピクセルのベースコードが表示されます。ベースコードは後ほど設置(今回はGoogleタグマネージャーを使用)するので、ベースコードをコピーしておきましょう。(下図赤枠)
コピーの完了後、③~⑧まで全て「次へ」を選択します。
ここで任意のイベントを作成することができますが、今回はベースコードで「ページビューのみ」の計測をする目的で、イベント作成は割愛致します。
⑧まで「次へ」を選択が完了したら、広告管理画面側のピクセル設定が完了します。
Googleタグマネージャで設置の手順
前項で作成したTikTok広告のベースコードをGoogleタグマネージャで設置する手順を以降で説明しています。初めにGoogleタグマネージャーを開いて、トップ画面左カラムの「タグ」をクリックします。(下図赤枠)
クリック後に切り替わった画面トップ右上の「新規」ボタンをクリックして、新規タグを作成します。(下図赤枠)
クリック後に表示されたタグ作成の画面から、「タグ設定」の枠をクリックします。(下図赤枠)
クリック後の右カラムから「カスタムHTML」を選択します。
クリック後に表示されたタブ内のHTMLの記述欄に前項でコピーしたTikTok広告のベースコードを貼り付けして「保存」をクリックします。
保存完了後、トリガーの設定に移ります。トリガーの枠をクリックした後に表示される右カラムから「Initialization-All Pages」を選択します。(下図赤枠)
トリガーの選択が完了したら任意でタグの名前を設定します。すべてが完了したら「保存」をクリックしてタグ設定を完了します。
作成したタグの計測確認
タグの作成が終了したら、正常にタグが発火するのか(しっかりと計測設定が出来ているのか)を確認する必要があります。以降ではタグの計測確認の方法について紹介します。初めにGoogleタグマネージャーのTOP画面右上の「プレビュー」をクリックします。(下図赤枠)
プレビューをクリックした後にポップアップで計測したいページのURLを入れる画面が表示されます。任意のURLを入力して「リンク」のボタンをクリックします。
プレビューでwebサイトに遷移をするので、計測したいアクションを行います。Googleタグアシスタントを確認し、「配信されたタグ」の項目に設定したタグが表示されていれば正常に設定が完了しています。(下図赤枠)一方で「未配信のタグ」に表示されている場合、今までの工数のどこかに問題があり、計測が完了していないので、問題点を見つけ、配信されるように修正を行いましょう。(下図青枠)
まとめ
今回はTikTok広告の説明と初期設定方法について紹介しました。TikTokはリリース当初、若い年齢層の使用率が高かった事から、若者向けの媒体・若い人しか見ていないというイメージが付きがちですが、今では幅広い年齢層で使用されている媒体です。
今では法人企業も集客媒体の一つとして力を入れている事も珍しくありません。ただ、依然としてInstagram広告やGoogle広告に比べて参入している企業は少ない傾向にありますが、競合が少ない媒体とも解釈ができます。
TikTokのユーザーシェアは年々増加傾向にあり、ターゲティング精度も上昇してきていますので、今後も大手企業などがTikTok広告に力を入れていく可能性は大いにあるかと思います。大手が参入してくる前の時期、つまりは今のうちにTikTok広告を運用し始め、競合優位性を確立したり、TikTokアカウントを育てていくことをお勧めします。
今回、TikTok広告の配信方法と初期設定について解説をしましたが、はじめてTikTok広告の配信を行う方には少し難易度の高い内容もあり、設定に2~3時間ほど要してしまうケースもあります。そのような場合には、まずは運用のプロに任せてみるのも良いかもしれません。
弊社ソテルIT企画では、上記で解説したTikTok広告アカウント開設~初期設定完了までを最短30分で実行します。「開設~初期設定のみ行ってほしい!」といったピンポイントのお悩みも解決できますので、まずはお気軽にお問合せ下さい!